ギリ健とは?境界知能や発達障害グレーゾーンとの関係
ここでは、ギリ健の意味と境界知能と発達障害グレーゾーンとの関係性について解説していきます。
ギリ健の意味と特徴
「ギリ健」は「ギリギリ健常者」の略で、障害者と健常者(普通の人)のちょうど境目にいる人たちを指します。
これは、知的障害や発達障害と診断されないけれど、日常生活でたくさんの苦労をしている人たちに使われます。
ギリ健の人たちの特徴としては、学校や仕事で人と話すのが苦手だったり、何かを理解するのに時間がかかったりすることが挙げられます。
周りからは「なんでこんなことがわからないの?」と思われることもあり、そのことでストレスを感じることが多いです。
ギリ健という言葉は、時々悪口として使われることもありますが、実際には多くの人がこうした状況にいて、十分な助けを受けられずに苦しんでいます。
境界知能と発達障害グレーゾーンの関係
「ギリ健」と似た言葉に「境界知能」や「発達障害グレーゾーン」があります。
ギリ健の中には、境界知能と発達障害のグレーゾーンが含まれています。
境界知能は、IQが70〜85の間で、知的障害者ではないけれど、普通の人よりも少し学習や仕事が難しい状態です。
また、発達障害のグレーゾーンは、発達障害ではないけれど、やはり生活に困っている人たちのことです。
このような人たちは、診断がつかないために必要な助けを受けられず、悩んでいることが多いのです。
境界知能と発達障害グレーゾーン: ギリ健に含まれる人たち
ギリ健には、境界知能や発達障害のグレーゾーンにいる人たちが含まれています。
ここでは、それぞれの特徴について説明し、ギリ健の実態をわかりやすく解説します。
境界知能の特徴とIQ範囲
境界知能は、IQが70から85の人たちを指します。
この範囲の人たちは、知的障害者ではありませんが、学校や仕事で困難に直面することが多いです。
特に、複雑な問題に取り組むときや、周りの人と同じように働くことが難しく、遅れをとってしまいます。
境界知能の人たちは、勉強や仕事だけでなく、他の人との会話や自分をコントロールすることが苦手な場合もあります。
そのため、毎日の生活が大変で、「自分はできない」と感じてしまうことが多く、ストレスや不安がたまりやすいのです。
また、境界知能の人は、知的障害者とは異なり「自分が他の人からどう見られているか」ということを認識できるため、精神障害を発症したり、犯罪につながるような非行に走ったりする危険性が高いとされています。
統計によると、全体の14%ほどの人が境界知能に当てはまります。
このことから、多くの人が抱える問題だと言えるでしょう。
発達障害グレーゾーンの特徴
発達障害のグレーゾーンにいる人たちは、発達障害と診断されるほどではありませんが、注意力が足りなかったり、人と話すことが苦手だったりします。
こうした特徴が原因で、学校や仕事で困ることが多く、毎日の生活でもストレスを感じやすいのです。
このグレーゾーンの人たちは、他の人が気づくような細かい言葉の意味を読み取るのが苦手だったり、音や光に敏感だったりすることがあります。
そのため、周りから「ちょっと変わった人」と思われやすく、学校や仕事で一人になりがちです。
こうした人たちは、はっきりとした診断を受けられないことが多いため、助けが得られずに自分で問題を解決しなければならない場合が多いです。
しかし、適切なサポートがあれば、生活は大きく改善される可能性があります。
境界知能と発達障害が重なる場合
ギリ健の中には、境界知能と発達障害グレーゾーンの特徴が重なる人もいます。
このような人たちは、知能面でも発達面でも苦労しており、学校や仕事でさらに大きな課題に直面します。
2つの特徴をあわせ持っていても、「障害」として診断されない限り、適切なサポートを受けられないため、周りから気づかれないことが多いのです。
そのため、長い間ストレスを感じ続け、精神的な問題を引き起こすこともあるので、早い段階での支援がとても大切です。
ギリ健が抱える社会的な問題と支援の必要性
ギリ健の人たちは、社会の中で必要な助けを得られないことが多く、生活に大きな影響を受けています。
ここでは、ギリ健が抱える問題と、どのような助けが必要かを説明します。
社会的孤立と周囲の反応
ギリ健の人たちがよく直面する問題の一つは、社会から孤立してしまうことです。
周りの人から「どうしてこんな簡単なことができないの?」とか「空気が読めない」と言われてしまうことが多く、自分のことを否定されているように感じることがあります。
これが原因で、学校や職場でいじめられたり、孤立してしまったりすることがあります。
また、ギリ健は障害者と認められていないため、必要な助けが受けられず、周りの人もどう接したらいいか分からないことが多々あります。
こうした理由で、学校や仕事にうまくなじめないことが多いのです。
精神面への影響
ギリ健の人たちは、自分が他の人より劣っていると感じることが多く、これが心の健康に悪い影響を与えます。
自信を持てず、「自分は価値がない」と思い込んでしまうことがあり、うつ病や不安障害を引き起こすこともあります。
このように心の問題が悪化すると、生活がさらに難しくなり、社会からますます離れてしまうことがあるのです。
特に「自分には価値がない」と感じることで、家に閉じこもったり、人との関わりを避けたりするようになる場合もあるでしょう。
心が不安定な状態や孤独に感じることが続くと、生活全体にまで悪影響を及ぼすことがあります。
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学校や職場での不適応
ギリ健の人たちは、学校や仕事で周りの人に合わせることが苦手です。
たとえば、授業のペースについていけなかったり、周りの人が言っていることをうまく理解できなかったりします。
そのため、教師やクラスメートから「なぜできないの?」と誤解されることが多いです。
職場でも同じように、仕事を覚えるのに時間がかかったり、複雑な仕事をするのが難しかったりします。
そのため、周りの人からは「やる気がない」と思われてしまい、結果として職場での評価が下がってしまうことが多いです。
また、安定した仕事に就けず、低賃金の仕事や非正規雇用になりやすいという問題もあります。
ギリ健の人たちの勉強や仕事面についての詳細は、以下の記事にまとめてあるので、ぜひ参考にしてみてください。
支援を受けられない問題
ギリ健の人たちは、障害者として認められていないため、行政の助けを受けられないことが大きな問題です。
日本では、障害者手帳を持っていないと、仕事や生活のサポートが受けにくいのが現状です。
また、病院でもはっきりとした診断をされない限り、必要なカウンセリングや治療を受けにくくなります。
自分の問題に気づいていても、適切なサポートを得られずに、状況が悪化してしまうことがあるのです。
今後必要とされる支援体制
ギリ健の人たちには、もっと柔軟で幅広い支援が必要です。
たとえば、学校では、個別の学習プログラムを作ることや、仕事では個別性のある働き方を提供することが挙げられます。
また、心の健康を守るために、カウンセリングやサポートの体制をもっと増やすことも大切です。
これにより、彼らが感じる不安や自己否定の気持ちを和らげ、社会とのつながりを保つことができるようになるでしょう。
さらに、障害者手帳を持っていない人でも受けられる支援制度を作ることや、企業にギリ健の人たちが働きやすい環境を整えるよう求めることも重要です。
これによって、もっと多くの人が社会で安心して生活できるようになるでしょう。
ちなみに筆者のなんばさんは、電話でのお悩み相談も行っています。
当事者の目線で、「生きづらい」「どうしたらいいかわからない」といった悩みを親身になって聴いてくれますよ。
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